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速報

円の実効レート 65.9──1985年以来の記録的弱さ

BIS 実質実効為替レート (REER) で日本円は 2026年5月に 65.9(2020=100基準)。 1995年4月のピーク 194.2 から 半値以下まで下落した。 名目のドル円は現在 158.34円だが、 物価差・貿易加重を調整した REER で見ると 1985年プラザ合意直前の水準にまで戻っている。

円と米ドルの実質実効為替レート推移(30年)

出典: BIS EER (WS_EER)。2020=100。100超=強い通貨、100未満=弱い通貨。物価差と貿易加重で調整。

「名目レート」と「実効レート」の乖離

名目ドル円 158.34円で見ると、1990年代前半の 120円台と比較して 「そこまで大幅な円安ではない」ように見える。 しかし物価水準の日米差を調整すると、実質的な購買力は 大幅に低下している

  • 1990年: 円安 ¥143/$、当時のREER ~150台(現在の 2倍以上)
  • 1995年: 円最強 ¥85/$、REER 194.2(過去最高)
  • 2011年: 円強 ¥76/$、REER ~100台(この時点で1995年から3割減)
  • 2024〜26年: 名目 ¥155-¥160、REER 65.9(過去最低圏)

なぜここまで下がったか

主因は 3つ:

  1. 日米金利差: 日銀の政策金利1.00%と FRB の 3.63%で、円キャリー取引を継続的に助長
  2. 物価差の累積: 日本が 30年ぶりの継続的インフレ入り、しかし米欧はそれ以上のインフレ
  3. 貿易収支の構造変化: エネルギー輸入コストの増加、対外直接投資収益の海外滞留

REER 上昇時の含意

REER 65.9は「日本製品の国際競争力が異常に高い」水準を意味する。 輸出企業の収益・観光インバウンド・海外直接投資受け入れの追い風となる一方、 輸入物価上昇と実質購買力の低下で家計負担は増加。 日銀の追加正常化と円反転が進めば、REERも上向く可能性がある。

読むときの注意

  • REER は 2020=100 基準。他の年を基準にすると絶対値は変わる
  • 「1985年水準」は概算。BIS の月次データは 1994年からで、それ以前は年次データからの推定
  • 物価差の測定は消費者物価指数ベース。企業物価差だと別の景観になる

データ出典

使用データ 出典
日本円 REER、米ドル REER BIS EER (WS_EER)
ドル円 月中平均 日本銀行 東京市場インターバンク

※ データは各機関の公開統計を当サイトで収集・加工したものです。最新値は各出典元でご確認ください。