ユーロ圏 鉱工業生産 98.1──製造業回復に躓き、前年比 1.4%
ECB SDW から取得のユーロ圏 鉱工業生産指数は 2025年9月に 98.1(2015=100)、 前年比 +1.4%。 対して米国は 102.6(前年比 +1.1%)と 堅調で、設備稼働率は 76.1%。 日米欧の製造業サイクルの温度差が明確。
ユーロ圏 vs 米国 鉱工業生産指数(直近5年)
出典: ECB SDW (STS), FRED (INDPRO)。ユーロ圏=2015=100, 米国=2017=100 と基準年が異なる点に注意。
「エネルギー価格ショック後遺症」が続くユーロ圏
ユーロ圏の鉱工業生産は 2022 年のロシアウクライナ危機以降、 エネルギー価格急騰と天然ガス供給不安で下降トレンドに入り、以降回復軌道に乗れていない。 現在の 98.1は 2015年比 でわずかにマイナスで、 コロナ前 (2019年平均 ~104) からも 約 5〜6 ポイント低い水準で停滞。
「AI・データセンター投資」が支える米国
対する米国鉱工業生産は 2017年基準で 102.6と過去最高水準圏。 設備稼働率も 76.1% と長期平均近くを維持。 主因は AI・データセンター関連の設備投資と半導体・電池の国内生産(CHIPS法・IRA法の効果)。
ECB 追加緩和の論拠
ユーロ圏の コアHICP は 2.3% で ECB 目標 2%近傍まで収束、 しかし製造業と GDP 成長は停滞している。この乖離は ECB の 「利下げ余地はあるが必要性は小さい」ジレンマの背景。 今後の PMI・鉱工業生産のさらなる悪化が確認されれば、追加緩和の議論が再燃する可能性。
読むときの注意
- ユーロ圏は2015=100、米国は2017=100の指数。単純な数値比較は不可
- ドイツ・イタリアなど個別国は同時期にさらに大きく減少している場合がある
- 統計は季節調整済(SA)。「暖冬・寒冬」影響は緩和されている
データ出典
| 使用データ | 出典 |
|---|---|
| ユーロ圏 鉱工業生産 | ECB SDW (STS M.I9.Y.PROD.NS0020.4.000) |
| 米国 鉱工業生産 | FRED (INDPRO) |
| 米国 設備稼働率 | FRED (TCU) |
※ データは各機関の公開統計を当サイトで収集・加工したものです。最新値は各出典元でご確認ください。