WTI 79・Brent 82──原油は中東財政均衡圏で膠着
WTI原油は 2026-07-17 週末で 79.20 USD/バレル、 Brent原油は 81.62 USD/バレル。 WTI-Brent スプレッドは 2.42 USD で歴史的に標準的な水準。 天然ガス(Henry Hub)は 2.83 USD/MMBtu。 WTI 前年比 +15.6%、ガス -19.1%。
WTI と Brent 原油(直近2年, 週次)
出典: FRED (DCOILWTICO / DCOILBRENTEU)。両者は通常 $3〜5 のスプレッドで推移。
「中東財政均衡圏」のメッセージ
WTI 80〜85 USD/バレルは サウジ・UAE の財政均衡レンジに概ね合致する水準。 OPEC+ は減産を維持してこの価格帯を死守する戦略を取り、米シェールも採算ラインを大きく上回るため 生産能力を維持できる。需要鈍化+供給管理=中位均衡の構図が継続。
天然ガスは別ロジック
天然ガス(Henry Hub)は供給能力過剰のため $3 前後の低位継続。 LNG 輸出能力の増設が続いており、過去のような価格急騰局面は構造的に起きにくくなっている。 AI データセンターの電力需要急増は中長期の電力料金引き上げ要因だが、ガス価格への直接インパクトは限定的。
原油 → インフレへの波及
WTI が10%上昇すると、米 CPI が 0.3〜0.5pt 押し上げられる試算が標準的。 現在の 80USD 前後の水準は、FRB の利下げ判断を妨げない範囲。 ただし中東情勢の急変動次第で +20USD のショックが起きれば、ヘッドラインインフレが再び目標から離れる可能性がある。
読むときの注意
- WTIスポット価格は先物近月物が代表。長期物(12〜24ヶ月先)の価格カーブは別ストーリー
- Brent と WTI のスプレッドは通常 $3〜5。$10超の拡大は米シェール供給制約か中東リスクの兆候
- Henry Hub は米国基準。欧州・アジアのガス価格(TTF・JKM)は独立した動き
データ出典
| 使用データ | 出典 |
|---|---|
| WTI原油(週次) | FRED (DCOILWTICO) |
| ブレント原油(週次) | FRED (DCOILBRENTEU) |
| 米天然ガス Henry Hub(週次) | FRED (DHHNGSP) |
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