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OECD CLI 17カ国──米 99.9・中 101.4・独 99.4・日 100.0

OECD CLI(複合先行指数)で17カ国の景気サイクル局面を比較。基準値 100 は長期トレンド水準で、100超=拡張、100未満=減速。OECD 公表のリアルタイム景気判断ツール。

OECD CLI 現在水準 (X) × 過去1年変化 (Y)

X軸=現在のCLI水準、Y軸=1年前との差。右上=拡張加速、右下=拡張減速、左上=底打ち、左下=減速継続。

4象限が示す国別景気局面

  • 拡張加速組(右上): CLI が 100超 + 1年で上昇している国。景気サイクルのピーク手前。
  • 拡張減速組(右下): CLI が 100超だが鈍化中。次の調整局面の予兆。
  • 底打ち組(左上): CLI が 100未満だが上昇中。回復の初期段階。
  • 減速継続組(左下): CLI が 100未満で更に低下中。最も警戒レベル。

現在の17カ国中、5カ国が CLI 100以上(拡張局面)、 12カ国が 100未満(減速局面)。世界全体の景気サイクルは均一ではなく、 地域・経済構造で局面が分かれている。

OECD CLI 長期推移(米国・日本・ドイツ・中国・韓国, 月次)

出典: FRED経由のOECD CLI(XYZLOLITONOSTSAM)。100=トレンド水準。リーマン・パンデミックでの大きな谷が見える。

サイクルの「同期度」と「位相のずれ」

過去40年の CLI 推移を見ると、米国・日本・ドイツの主要先進国は 大局的に同期している(リーマン期 2008-09、パンデミック 2020)。 ただし振幅と位相にはズレがある:

  • 米国は「最大振幅・先行型」: 谷も山も最も深く、典型的に他国を 1〜3 ヶ月先行
  • 日本は「小振幅・遅行型」: 山谷が小さい代わりに、米国の動きを 3〜6 ヶ月遅れて追随
  • ドイツは「製造業依存型」: 中国の景気減速に強く反応する
  • 中国は「独自サイクル」: 政府主導の景気対策で、グローバル景気と乖離した動きを示すことが多い

韓国は半導体サイクルの影響で、CLI が世界平均より 大きく振れる 傾向。 2022〜2023 年の半導体不況時には CLI が 96 台まで低下、2024〜2025 年の AI 需要回復で 100超 へ戻った。

OECD CLI 最新値ランキング(17カ国)

100=長期トレンド水準。100超は景気拡張、100未満は減速局面。

「CLI 100超」の意味──リセッション予測ではなく局面判定

CLI は 6〜9ヶ月先取りで景気の転換点を捉えることを目的とした指標。 しかし「100を切ったら必ずリセッション」ではなく、軽度の景気減速も含めて「トレンドからの乖離」を示す。

実証研究では、CLI の 持続的な低下(3〜4ヶ月連続)絶対水準 98 以下の組み合わせが 景気後退のシグナルとして強い。直近の17カ国中で、この基準を満たすのは限定的で、世界景気全体は 「軽度の調整」状態と読める。

政策含意

  • 金融政策の協調と独立: 各国の CLI 局面が異なるため、利下げ・利上げのタイミングは自然に分散する。FRB と ECB の利下げペース乖離はこの構造の現れ
  • 製造業 vs サービス業: CLI は製造業色が強い指標。サービス業中心の現代経済では、CLI の景気判断力が低下している可能性
  • 新興国の「独立サイクル」: 中国・インド・ブラジルは先進国の景気サイクルから乖離した動きを示すことが多い。国内政策・コモディティ価格・地政学リスクの影響が大きい

限界と留保

  • CLI 各国版の構成要素は異なる: 「100超=拡張」の解釈は同一だが、構成要素(株価・建築許可・受注残・消費者信頼感等)は国により異なる。完全に同質な比較ではない
  • 最新公表年は 2023 年止まり: OECD の CLI 公表は通常 2〜3 ヶ月遅れだが、本データセットは 2024 年以降の更新が止まっている系列がある
  • 製造業バイアス: CLI の構成要素は製造業の景気判断に強く、サービス業中心の経済では予測精度が落ちる可能性
  • 「100=トレンド」の定義: 過去のトレンド成長率を 100 として基準化。トレンド自体が下方シフトしている時代では、解釈に注意が必要
  • 17カ国は便宜的選択: OECD は全38加盟国+一部の主要新興国の CLI を公表。本記事の選択は世界経済の主要プレイヤーに限定
  • ロシアは2021年で停止: 2022年の制裁以降データが更新されていない(OECD が公表停止)。本記事の集計からは除外

データ出典

使用データ 出典
OECD CLI FRED 経由 (XYZLOLITONOSTSAM)

※ データは各機関の公開統計を当サイトで収集・加工したものです。最新値は各出典元でご確認ください。